(7)父の過剰な反応に驚き、うんざりした

公開日: 更新日:

 熱中症で救急搬送された母の入院先に着替えを届け、手続きをするため、私は東京から朝一番の飛行機に乗って実家に向かった。コロナ禍だったこともあり母には会えず、病院の裏口のパイプ椅子で入院の手続きを行うことになった。

 ここで驚くことがあった。看護師に、フェースシールドの奥から「新規の患者さんは新型コロナウイルスへの罹患がないかの観察という意味もあり、個室に入院していただくことになります。ついては個室料金は1日9100円です」と告げられたのだ。1日約1万円が別途かかるのか!

 プラスチックグローブに包まれた指で手渡された入院診療計画書には、推定入院期間が2週間と書かれており、私はいきなり発生したその支払いにクラクラした。

 そもそも、両親にどれくらい蓄えがあり、いくら年金をもらっているかといったことを、私はまったく知らないのだ。この入院費を彼らが支払えるのかどうかも判断できない。もし難しい場合は、私が払うしかないだろうと覚悟を決めた。

 結果的に、母は個室に4泊したのちに一般病室に移ることができ、個室料は4万円程度で済んだのだが、今後認知症の専門医に診察してもらい、おそらく入院するだろう母にかかる費用を考えると気が重くなってきた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  2. 2

    ニデック永守重信会長の堪忍袋の緒が切れる? 「売上高4兆円」達成に不可欠な牧野フライスの買収が難航中

  3. 3

    巨人・田中将大の早期二軍落ちに現実味…DeNA二軍の「マー君攻略法」にさえなす術なし

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    茨城県知事の異常な県政を朝日も毎日も報じない不思議…職員13人が自殺?重大事件じゃないか!

  1. 6

    立憲民主党の凋落は自民党以上に深刻…参院選改選組が国民民主党に露骨なスリ寄り

  2. 7

    小芝風花&松坂桃李は勝ち組、清野菜名は貧乏クジ…今期ドラマ「トップコート」所属俳優の泣き笑い

  3. 8

    阿部寛「滑舌問題」はクリアできそうだが…新日曜劇場『キャスター』で国民的俳優が試される“唯一の心配事”

  4. 9

    浜田雅功の休養の裏で着々と進む松本人志との"今夏ダウンダウン完全復帰計画"…プラットフォームに本腰

  5. 10

    誰トク?広がる地方私大の公立化…見送られた千葉科学大は「加計学園」が運営撤退も大学存続