心臓外科医が教える患者のための基礎知識(2)狭心症の原因は不明…10年ごとに冠動脈CT検査を
記者が尋ねます。
「狭心症ってどんな症状ですか」
アホな質問です。そんなもの言葉で言い表せません。
今この瞬間も、世界中の病院で患者は医者の前で、自分の症状を一生懸命伝えようとしていますが、病気の症状なんて人それぞれ。言葉にしたらそれぞれ違います。
「何があなたを病院に来させたのですか?」と医者に聞かれたら、患者が答えるべき100点満点の正解は「なんだかわからないけれども不安なんです」。そう、不安だから患者は病院にやってきて、長い時間待たされても我慢して、検査を受けて、断腸の思いで態度の悪い医者に対面しているのです。
さて、今回は狭心症という病気の話です。心臓発作を起こすので有名な、そしてクリントン元アメリカ大統領など、歴史上の有名人も数多く罹患している病気です。
狭心症が出てくる映画に「ドクトル・ジバゴ」があります。路面電車の車窓から主人公の医師ユーリはかつての恋人のラーラを見つけます。あわてて下車して追いかけますが、左顎、左肩、左手にかけて激しい痛みが襲い、路上に倒れこんでしまいます。オマー・シャリフによって演じられた典型的な狭心症発作です。人類最高の傑作映像作品です。