血液がドロドロに濃くなる「多血症」には要注意…血栓ができやすくなる
■生活習慣病のコントロールが重要
絶対的多血症はそれほど多くないが、一般的に多く見られるのは相対的多血症だ。高血圧、高血糖、高コレステロール、肥満といった生活習慣病が多血症の原因となっている場合は、それらをコントロールして改善する治療を行い、水分不足により血漿が減少している場合は、水分補給や点滴などを行って血漿の量を戻す治療が行われる。喫煙による低酸素血症がある場合は、禁煙によって改善する可能性がある。
「多血症の診断基準の範囲に完全に該当していなくても、ボーダーラインに位置している人は少なくありません。そうした多血症傾向のある人に、高血圧、高血糖、高コレステロール、肥満といった生活習慣病があると、血栓症からの心筋梗塞や脳梗塞のリスクがダブルでアップします。まずは生活習慣病をしっかり治療してコントロールすることが大切です。また、動脈硬化が進んでいる人では血栓予防のための薬物治療を行ったほうがいいケースもあるなど、生活習慣病をコントロールするだけでは不十分な場合もあります」
思い当たる症状があったり、健康診断などで多血症の疑いを指摘されることがあれば、早めに血液内科を受診し、しっかり検査を受けることが重要だ。