鼻の骨が「く」の字に曲がっていて…俳優の伊藤裕一さん鼻中隔湾曲症の手術を振り返る
手術をして、改めて気づいたのは「術前は呼吸のリズムが短かった」ということ。吸ってもそれ以上吸えないから、呼吸が浅かったのだと思います。でも、今はもっと吸えるので新たな呼吸のリズムを体に覚えさせているところです。酸素が頭をめぐることで脳が冷やされて集中力も上がるんじゃないかと期待しています。
命に関わらないことだと耐えてしまったり、仕方がないと思いがちだけれど、自分の場合は手術しない選択肢はなかったように思います。
それは出会った人たちのおかげです。特に歌に関しては、「もう一歩進みたい」「あの先輩のようになりたい」と思わせてくれたことで、技術だけではなく、身体的な改善までたどり着けました。実際、鼻の奥が開けたので、声の響きは変わるのではないかと思います。
最後に、「周囲に気を使って遠慮しがちなタイプの人は、入院する時は個室がいい」とお伝えしたい。他の人の目を気にせず、めいっぱい苦しめたことは本当によかったです。と同時に、医療保険ってありがたいなと思いました。
(聞き手=松永詠美子)