「ドアマン募集」という名の警備員の求人 面接官は「挨拶ができればいい」と繰り返した

公開日: 更新日:

 仕事は午前11時から午後9時まで。日当は1万円。途中1時間の食事休憩と夕方に30分の休憩が取れる。何か質問がありますかと聞かれたので、念のため、

「私は大卒ですが、大卒は不利でしょうか?」

 すると内田氏は「愚問だよ」というような表情で、

あのですね。大学を出ていようと知性があろうとなかろうと、挨拶ができればいいんです」

 短い時間だったが、内田氏は「挨拶できる人」という言葉を4、5回使った。彼の話を聞いていると、右も左もマナーを身につけていない人物だらけという錯覚を覚えてしまう。

「では採用の場合は明日連絡します。夕方電話しても大丈夫ですか?」

 内田氏の言葉には「あなたを採用で決まり」という好感触がにじんでいる。思ったとおりだった。翌日の午後5時、「採用」の連絡をもらい、研修を受けることになった。ところが、この研修が軍隊式のため戸惑ってしまったのだった。  =つづく

(林山翔平)

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…