著者のコラム一覧
姫田小夏ジャーナリスト

中国・アジアを身近に捉える取材に取り組む。中国ウオッチは25年超、中国滞在経験も長い。アジア・ビズ・フォーラム主宰。日刊ゲンダイでの連載などをもとに「ポストコロナと中国の世界観 」(集広舎)。

奥飛騨温泉郷に星野リゾートの衝撃…果たして温泉郷全体が潤うのかどうか

公開日: 更新日:

 観光案内所の印刷物によると、平湯の宿泊施設は20軒ほどだ。昭和初期に温泉地投資ブームが起こり、初期の分譲だけで126区画があったとする史料は、戦前からの繁栄ぶりを伝える。平湯温泉を含む奥飛騨温泉郷はその後、高度経済成長期の社員旅行、秘湯ブーム、さらには演歌「奥飛騨慕情」の大ヒット(1981年オリコンCDシングル年間売り上げランキング2位)で全国的な知名度を上げ、平成初期まで人気温泉地として宿泊客が年々増加した。

 しかし、やがて宿泊客は減少。97(平成9)年に悲願の安房トンネルが開通したものの、観光効果は持続しなかった。2000年代になり「インバウンド」という国策がぶち上げられたが、地元の人々は「ブーム」に慎重だった。

 さて、「界」の開業については「星野が来れば平湯温泉の知名度が再び上がるのではないか」と前向きな声が多い。「界 奥飛騨」の宿泊料金(予定)は1泊1人(2人1室時、朝夕食付き)で3万円超であることからもハイエンドな客層を呼び込みそうだ。平湯には“昭和のお宿”が多く、従来は50~60代が主要な支持層だったが、「界」の開業によって、平湯温泉を知らなかった若い世代もこの地に興味を持つ可能性もある。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    スタンフォード大・麟太郎のメジャースカウト評価は課題山積…ド軍指揮官からも耳の痛いアドバイス

  2. 2

    大谷が2026年WBCを辞退する可能性…二刀流継続へ「右肘3度目手術」は絶対避けたい深刻事情

  3. 3

    W杯8強へ森保J「5人の重要人物」 頭痛の種は主将・遠藤航の後継者…所属先でベンチ外危機

  4. 4

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  5. 5

    悠仁さまは学習院ではなぜダメだった?大学進学で疲弊する宮内庁職員「もうやめたい」と悲鳴

  1. 6

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  2. 7

    巨人「助っ人野手の獲得下手」汚名返上できた納得の理由…今年はなぜ2人とも“当たり”?

  3. 8

    大阪府の8割の小売店でコメ品切れ発生だが…吉村知事「備蓄米放出しろ」が腑に落ちないワケ

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    巨人・坂本勇人は《潔くユニホーム脱ぐべき》低迷でも“1年延命”で現役続行か