全国の金融機関から32億円以上を不正融資…三菱UFJ信託銀行エリートとコンサル経営者の巧妙手口
藤本容疑者は松田容疑者のほかにも十数人に同様の手口を指南し、複数の銀行から少なくとも総額32億円以上をだまし取っていたとみられる。
「銀行側との面談では融資の審査を通しやすくするため、金融機関の公式サイトに酷似したネットバンキングの画面を表示し、数億円の預金があると装っていた。購入価格が3億3000万円だったアパートを高く見せるために不動産鑑定書も用意していた。極め付きが売り主と同じ法人名義の銀行口座に振り込ませ、売り主に支払われたことを“確認”させるなどして銀行側の目を欺いていた。藤本が計画を立て、家賃収入目当ての松田らが乗っかっていた」(捜査事情通)
藤本容疑者は17年にコンサル会社を設立。順調に売り上げを伸ばし、都内の一等地のタワマンの上層階に住んでいた。求人サイトには「馬には乗ってみよ 人には添うてみよ」というタイトルでこうつづっていた。
<国立信州大学法人教育学部生涯スポーツ課程野外教育専攻を卒業後、佐川へ入社し、東京本社人事部にて新卒採用業務に従事。その後、不動産会社に入社し営業職に就く。当時の上司と2人で会社を立ち上げ、後にバイアウト。その後、UP-Fコンサル株式会社を創業し、グループの数社と共に現在まで安定して経営しています>
社会的にはそれなりの立場だった2人だが、そろって金に目がくらんだばかりにこれまで築き上げてきた人生がパーだ。