企業調査で分かった異次元緩和の“汚点” ジャブジャブ融資はやはり有効活用されていなかった
今年3月末時点の日銀の国債保有残高は約589兆円で、年度末としては過去最大。異次元緩和が始まる前の2013年3月末の約130兆円から実に4.5倍以上に膨らんでいる。
2年をメドとしていた異次元緩和を、日銀はズルズル続け、金融機関から国債を大量に買い入れることで市中に資金を供給し続けたが、企業は設備投資も賃上げにも消極的で、資金需要は低迷。困った金融機関は、付き合いのある企業に「ゼロ金利だから借りてくれ」と頼み込み、企業は余裕資金をプールしておいただけということなのだ。
「今後、金利が上がるということで、過剰債務を抱えている企業はキツくなると言われていますが、逆に、困らない企業が2割もあるというのは興味深い。アベノミクスが全く意味がなかったとまでは言いませんが、需要のないところに資金を入れても経済は循環しなかった。インフレにもなりませんでした。こうしたデータがあるのですから、政府・日銀は異次元緩和の弊害をしっかり検証すべきです」(森岡英樹氏)
庶民は「安いニッポン」に苦しめられているし、ホント、アベノミクスはロクでもなかった。
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