グリエルも逃し…巨人がストーブリーグ“歴史的惨敗”の原因
しかし……松坂の獲得をめぐって巨人とバッティングした某球団の編成担当が首をかしげてこう漏らす。
「当初、うちの部長がこう言っていたんだ。『松坂争奪戦はソフトバンクと巨人をDeNAが追う展開。うちはさらにその下だ。条件ならソフトバンクだが、原監督が個人的なパイプを駆使して調査している巨人も侮れない。松坂サイドに最初に接触したのは巨人という話もあるからな』って。それが、いつの間にか巨人の影が松坂の周辺から消えた。逆に怪しいと警戒していたが、結局、それっきり。うちの部長も『巨人はどうしたんだ』と首をひねっていた」
■オーナーが唐突に「ポスト原」に言及
原監督は来季で第2次政権10年目。監督生活は通算で12年目になる。これは、長嶋茂雄の15年、川上哲治の14年に次ぐ、球団史上3位の長期政権。7度のリーグ優勝、3度の日本一に導いた手腕が評価される一方で、長期政権の弊害を指摘する声がチーム内外から出始めているのも事実だ。
近年、特に補強をめぐってなにかと対立した前代表の清武英利氏(64)が駆逐された11年のオフ以降は、原監督が望むがままの戦力強化が行われてきた。補強の過程で原監督の人脈が生かされる事例も少なくなく、これが良くも悪くも巨人内における原監督の存在感を増大させることにもなった。すでに、現場では原監督の意向がすべてという雰囲気。采配や用兵に口を挟める人間はほとんどおらず、いよいよ独善に拍車がかかるという悪循環が見える。