「4人目外野手」イチロー マーリンズで出場増確実の裏事情
日本ではテレビ局の都合が選手起用を左右することはないが、アメリカは違う。テレビ局はメジャーリーグ機構(MLB)に年間数百億円規模の放映権料を払っていて、力が強い。ヤンキースですらオープン戦ではNHKの中継に合わせて、松井秀喜(元ヤンキース)の出番や起用法を配慮したことがあった。日本市場を開拓したいマーリンズにとって、イチローは魅力的なコンテンツなのである。
マーリンズの露出が増えれば、球団が狙う次のターゲットは「ジャパンマネー」。その代表格が広告だろう。
これまでマーリンズには日本人選手が所属せず、日本企業からのスポンサー支援を得ることが難しかった。しかし、イチローは「ユンケル」でお馴染みの佐藤製薬を筆頭に多くの日本スポンサーを抱えている。こうした企業が球場に広告を出す可能性は否定できない。そうなればマーリンズの収入は一気に膨れ上がる。
まして、マーリンズは12年3月に開場した新球場「マーリンズ・パーク」の建設費用を巡り、地元自治体と衝突中。多額の税金が建設費に投じられたことや、今後のスタジアム維持管理費用などで揉めている。黙っていても広告が入る大都市の人気球団ではないだけに、日本企業からの支援は喉から手が出るほど欲しいのだ。