MLBで深刻な“黒人離れ” 日本人選手は今後も好機が続く
3月7日、米国の公民権運動の転機となった1965年の「セルマ大行進」(黒人市民の白人への抗議行動)から50年が経った。確かに、この50年間で黒人の法的な地位は格段に向上した。しかし、昨年8月にミズーリ州ファーガソンで黒人の青年が白人警官に射殺されたファーガソン事件は、現在の米国社会に依然として残る人種間の対立や格差の根深さを物語っている。そのような対立や格差は、「国民の娯楽」とも称されるメジャーリーグでも例外ではない。
メジャーリーグの各球団は入場料を年平均2%ずつ値上げしており、全球団の平均入場料は約28ドル(約3360円)、ホットドッグが約4ドル(約480円)、ビールは1杯約6ドル(約720円)、ソフトドリンクも約4ドルが平均的な値段となっている。家族4人で球場に行くと入場料だけで100ドル(約1万2000円)以上が必要になるメジャーリーグは、今やファンにとって気軽な娯楽ではなく、出費のかさむ行楽といえる。この10年で黒人の来場者数が減少する傾向にあるのは決して偶然ではなく、黒人の所得は白人の半分程度にとどまるとされる人種間の格差も影響を与えているのである。