県予選直前に大激怒 ベイ梶谷が語る開星“やくざ監督”の教え
「あの時は殺されるんじゃないかと思いました(苦笑)。『もうお前らの夏は終わったんじゃ! 試合で負けても泣いとるやつもおらん。最後の夏と思って本気でやっとらん証拠や!』と。あとから涙が出てきて、何で泣いたかはわからないんですけどね。あれがあったから気持ちが引き締まったと思います」
野々村監督が指揮を執っていた頃、開星は毎年3月に江田島(広島)で合宿を行った。戦前、旧海軍兵学校があった海上自衛隊の中にある教育参考館を見学するという。幕末から第2次大戦までの遺品が約1000点展示されており、特攻隊員による遺書もある。
そのとき、野々村監督からはこんな言葉をかけられたそうだ。
「彼らはこういう時代に生まれたがために戦争に駆り出され、野球ができなかったんだ。今の時代に生まれた幸せをかみ締めて野球をやれよ」
梶谷が言う。
「1球に対する強い気持ちだったり、精神的な部分で教わったことは今でも生きています」