「寡黙で誤解されやすい」 恩師語るG高橋監督への期待と不安
入団当時の長嶋監督(現・終身名誉監督)が「天才」と評した打撃で18年間、巨人を引っ張った。今季限りで現役を引退。「卒業生の星」と言う慶大時代の恩師・後藤寿彦監督(62=現JR西日本総監督)に教え子について聞いた。
慶大時代は1年時からレギュラー。4年時には主将を務め、東京6大学リーグ新記録の通算23本塁打を放った。今年8月22日に広島遠征時の高橋由を自宅に招いて食事をしたという。
「その時も『来年もまだやれるな』といった話をしました。よく美しい打撃フォームといわれますが、大学時代はそうは思いませんでした。でも今、当時の映像を見返すと『きれいだな』と(笑い)。現役を引退する寂しさはありますね」
慶大時代の思い出は主将に任命された際の投票だという。
「慶大は4年生が卒業する時、次の主将を推薦して監督が承認するという形で決まるのですが、あの時は4年生が全員一致で3年生の由伸と言ったんです。これはあまりないこと。当時からレギュラーで、試合に出て背中で引っ張って欲しいというのがあったのでしょう。由伸は上にお兄さんが2人いて、本人は三男坊。それにしては下級生の面倒見が良く、仲間を大事にする子でした。あの頃はボクがやらせていた感じで、残って練習をしていたなどの印象はないのですが、由伸の『人望』が票を集めたんだと思います。リーダーシップはあまり感じなかったけど、自分を犠牲にしてチームを優先する意識は、他の選手と比べてもズバぬけていました」