どこよりも早いセ新人王予想 “流しのブルペン捕手”が占う
先発、リリーフともに経験があり、起用法はチーム事情によるとはいえ、彼独特の荒れ球を生かす意味ではリリーフが適役と思う。水野の大学の先輩であるオリックスの佐藤達也(13、14年最優秀中継ぎ投手)のような活躍を見せても、驚かない。中継ぎ投手は派手ではないが、1年目から50試合以上に登板し、ホールド数を積み重ねれば、タイトル奪取にグッと近づく。
■正捕手争い次第で
新人を除く新人王の有資格者を見渡すと、阪神の大卒2年目捕手・坂本誠志郎が面白い。
正捕手候補の原口が一塁にコンバートされ、捕手としての出場機会が増えるという前置きが必要になるが、捕球、スローイングなどの基本的な守備力は現時点で他の捕手と比べて遜色はない。柔軟な頭脳を持っていて、明大時代に自主的に課題を解決し、成長する術を身につけている。明大4年時に大学日本代表の主将を務めたようにリーダーシップもある。経験を積めばプロの配球、リードにも対処できるはずで、総合的なディフェンス力の高さで、阪神の扇の要として長期間働ける選手とみている。チームの将来を見越して彼を一本立ちさせることができれば、阪神にとって大きな財産となることだろう。
▽あべ・まさひこ スポーツライター。1955年、宮城県生まれ。早大卒。アマ時代に捕手としてプレーした経験を生かし、ドラフト候補のボールを実際に受けて取材するスタイルを確立。通称「流しのブルペン捕手」。自身が責任編集を務める雑誌「野球人」を始め、著書、寄稿は多数。