侍Jが強化本部設置も…“全権”GMを置かないのはなぜだ
20年東京五輪での代表監督人事を進める侍ジャパンの強化委員会が28日に開かれ、同委員会内に強化本部を設置することになった。
同本部には本部長と2人の副本部長を置くそうで、本部長は野球界での監督、GM等の経験者を軸に人選するという。侍ジャパンでは、監督自身は現場で指揮を執るだけでなく、選手を招集し、また球団とのパイプ役も務めるなど、編成部門にもタッチしてきた。監督はあくまで現場の指揮に専念できるよう、編成の全権を任されるGMのような存在を求める声があった。
しかし結局、GM制は敷かないことが決定。強化本部長に監督人事の権限はなく、強化委員会が主導で行う。強化本部はあくまで代表監督のサポート役で、選手招集の窓口やスコアラー、トレーナーといった裏方を取りまとめるポジションだという。要するに12球団のチーム運営部長的な立場なのである。なぜGM制はダメなのか。さるプロ野球OBが言う。
「強化本部長が現場経験のあるOBであれば、日本ハムの大谷翔平が出場辞退した際に露呈した不手際などはなくなるかもしれない。ただ、監督人事はWBCの東京ラウンドを主催する読売の意向が強く反映されるといわれている。本部長も同じような人選になるのでしょう。選手集めにしても代表に招集される選手は限られているし、日本人メジャーリーガーを呼ぼうといっても、ダルビッシュ(レンジャーズ)や田中(ヤンキース)のような主戦投手はメジャー球団が許してくれない。であれば、わざわざGMなんて置く必要がないということなのでしょうが……」
野球の五輪復活は「東京が最後」ともっぱらだが、誰が監督、強化本部長になっても、色眼鏡で見られそうだ。