著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

早実・清宮92本で大騒ぎ 通算HR“練習試合”含むに疑問符

公開日: 更新日:

 しかも、よりによって高校同士の練習試合である。当然、時には格下と試合をすることもあるだろうし、相手投手が練習のつもりで投げてくることもあるだろう。ましてや、近年は野球人口の激減により、一部の強豪校が数少ない有望選手を奪い合っているような時代だ。一方で、他の高校は実力不足どころか選手不足にも陥っており、かくして高校間の野球格差はみるみる広がっている。

 そういう格差時代の練習試合では、余計に強豪校の主砲は快打を連発できるだろう。実際、高校通算本塁打で清宮より上位にいる3人は、いずれも10年以降に高校を卒業した選手である。すなわち、同記録は近年やけに更新されているのだ。

 しかも、先述した同1位の山本と3位の伊藤諒介(94本/10年)はどちらも兵庫県の神港学園である。同校は新鋭の強豪で、練習試合を多く組むことで知られているため、そりゃあ通算本塁打も増えるだろう。ちなみに、2人ともプロ入りはしていない。2位の初芝橋本・黒瀬健太(97本/15年)はソフトバンクに入団したが、ドラフト5位である。要するに、近年の高校野球格差時代においては、練習試合でいくら打っても、プロからは評価されないのだ。

 もちろん、大メディアもこれくらいのことはわかっているはずだ。わかっていながら、世間の関心欲しさに清宮の高校通算本塁打数を大きく報じて、17歳の少年を過剰に持ち上げているのだ。なんとまあ、あこぎというか、せこいというか。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出