報道陣を唖然とさせた145失点の大惨敗と強化委員長の総括
大会に出場した選手たちは、伝統国が本気で勝ちにくる迫力と、試合を一日がかりで楽しむ大会の雰囲気に触れてW杯という大会の凄さを実感したが、それがリアリティーをもって日本のラグビー界に反映されたかというと、そうではなかった。
■大学ラグビー人気にあぐらをかいていたツケ
145点奪われたニュージーランド戦を、大会後に強化委員長に就任した北島治彦は、「日本は(準優勝のオールブラックスに対して)よくやったと思います」と総括して、報道陣を唖然とさせた。
「僕が代表だったときも含めて、これまでは、W杯がどこか遠くで行われている大会としか認識されていなかった」とは、99年W杯代表の岩渕健輔(現日本ラグビー協会専務理事)が、15年大会開幕前に語った言葉だ。長く大学ラグビーの人気にあぐらをかいていたこの国のラグビー界にとって、世界の強豪が本気でしのぎを削る大会は、どこかよそ事だった。
そんな“暗黒時代”が、4年前まで日本代表には続いていたのだ。