ヤクルト一筋47年 八重樫幸雄さん退団後は子供たちを指導
新潟の公立高校野球部や少年野球チーム「東都クラブ 京葉ボーイズ」、ヤクルトOB会や日刊スポーツ新聞社主催の野球教室などで小中学生や指導者に教えている。対面だけでなく、SNSを駆使して「通信野球教室」も。八重樫さん、ITに強いのか?
「いやいや(笑い)、運営は知り合いの息子がやっています。パソコンはスカウトになったとき必要になって、パソコン教室に1日通って使えるようになったけど、駆使するほどじゃない。朝晩メールをチェックすると、子どもたちから質問が来ているから、原稿用紙にボールペンで返事を書いて、それをカメラで撮って運営者に送り、パソコンで打ち込んで返信してもらっています。1週間で10人以上からメールが来るし、野球教室とかもあるから、現役時代より忙しいと思うときもありますよ(笑い)」
そんなに働かなくても、悠々自適だろうに。
「ボクの現役時代は年俸が安くて、ボクは最高でも4000万円いかなかったし、出るものも多かったから。球団との契約では、お金でもめるのが嫌いで、文句を言ったことがなかった。唯一、一軍バッテリーコーチから二軍監督へと打診されたとき、『1400万円の現状維持で』と言われて、初めて『やらない!』って(笑い)。そのときの一軍監督が野村克也さんで、『監督とよくコミュニケーションを取ってやってくれ』なんて頼んでいるのに、それはないだろう、と思ってね。ともあれ、ずっと一つの球団にいられたことは幸せだったと思いますね」