著者のコラム一覧
岡邦行ルポライター

1949年、福島県南相馬市生まれ。ルポライター。第3回報知ドキュメント大賞受賞。著書に「伊勢湾台風―水害前線の村」など。3・11後は出身地・南相馬中心に原発禍の実態を取材し続けている。近著に「南相馬少年野球団」「大島鎌吉の東京オリンピック」

金メダル以外は敗北…打倒ソ連のために敵将も丸裸にした

公開日: 更新日:

 そして、76年モントリオールオリンピックを迎えた。すでに2年前の世界選手権大会でソ連を倒して優勝。44歳の山田率いる日本チームは“新東洋の魔女”と称された。だが、現地入りすると12人の選手の中で一番元気な、エースの白井貴子でさえも緊張した。縁起を担ぎ、真夏なのに日本リーグで全勝優勝した際のセーターを着ていた。

 その点、指揮官の山田は、あくまでも冷静だった。私にこう言った。

「小島さんが監督だった4年前のミュンヘンのときは、アラブゲリラの選手村襲撃で、日程が(1日)延びた。結果、ソ連との決勝戦を前に主力選手2人が生理になった。それが敗因の一つ。つまり、何事が起きても動じない強い心で、試合に臨むこと」 (つづく)

▽やまだ・しげお 1931年、静岡県生まれ。東京教育大(現筑波大)卒業後に高校教員を経て女子バレーボールの日立監督に就任し、日本リーグ優勝18回。五輪監督は68年メキシコ大会銀、76年モントリオール大会金、84年ロサンゼルス大会銅。2006年にバレーボール殿堂入り。

【連載】東京五輪への鎮魂歌 消えたオリンピアン

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  3. 3

    PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず

  4. 4

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  5. 5

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  1. 6

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  2. 7

    伸び悩む巨人若手の尻に火をつける“劇薬”の効能…秋広優人は「停滞」、浅野翔吾は「元気なし」

  3. 8

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  4. 9

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  5. 10

    下半身醜聞の川﨑春花に新展開! 突然の復帰発表に《メジャー予選会出場への打算》と痛烈パンチ