著者のコラム一覧
松崎菊也戯作者

53年3月9日、大分県別府市生まれ。日大芸術学部放送学科卒業後は宇野重吉らが率いる「劇団民藝」に所属。その後はコントグループ「キモサベ社中」「キャラバン」を経て、88年にコントグループ「ニュースペーパー」を結成。リーダー兼脚本家として活躍した。98、99年にはTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか!」でパーソナリティーを務めた。現在も風刺エッセイや一人芝居を中心に活躍中。

ロッテ澤村が証明「シャバではまだまだ人生ひと花ふた花」

公開日: 更新日:

「お、お、おれを雇ってくれるんですかッ?」

「お疲れさん、長いこと苦労したな。唇を噛んで我慢しただろう。まあ、ひとつどうだ、と渡されたロッテグリーンガムを噛めばハッカが鼻から目に突き上げて涙腺崩壊。男泣きしただろうて」

「環境変わるとヒトってああも変わるもんかな。外が雨やら晴れやら、窓もねえ所から解放されて、千葉の海風に吹かれながら秋空の下で仕事ができるんだからな」

「32歳か。シャバではまだまだ人生ひと花ふた花。やつが本気出したら相手のバットへし折ることもできるんだ」

「捨てる神あれば拾う神あり。まあこれからは肩で風切ってポルシェ乗り回したり、酔っぱらって素人衆の胸ぐらつかんで、オレを誰だと思ってんだサワムラだぞバキヤロウ! とか凄まねえこった」

 とチャックを上げながら話しているのを、相手打者のバットをへし折った高揚感で鼻の穴膨らませた球場帰りの本人が聞きつけて、オッサンの胸ぐらをひっつかんで、

「オレを誰だと思ってんだサワムラだぞバキヤロウ!」

 となりそうな危うさを心配する一野球ファンより澤村拓一投手へ。

「二度あることは三度ある」

 気いつけや。

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