阪神能見が今季限りで退団…「高校三羽ガラス」の逆転現象
松坂世代の1学年上、1979年度生まれの野球人にとって、高校時代に名を馳せた投手といえば平安高校の川口知哉、水戸商業高校の井川慶、鳥取城北高校の能見篤史だ。当時、彼らは高校生左腕三羽ガラスと称され、97年のドラフト会議でおおいに注目されていた。
その中でもっとも騒がれていたのは、4球団競合の末にオリックスからドラフト1位指名された川口だ。その年の夏の甲子園で平安高校を準優勝に導いた左腕エース。実績と知名度は3人の中で群を抜いており、その自信満々なビッグマウスぶりも話題となった。
しかしプロ入り後の川口は故障や制球難に苦しみ、結局は一軍で1勝も挙げられないまま、2004年限りで引退した。
次に、3人の中でもっとも早くプロで大成したのは97年に阪神から2位指名された井川だ。水戸商業高校時代は甲子園出場経験がなかったため、川口より知名度で劣っていたが、プロでは2年目に一軍初登板を果たすと、4年目には先発ローテに定着し、9勝13敗、防御率2・67を記録。その勢いのまま翌年以降は5年連続2桁勝利、03年には20勝を挙げて最多勝や沢村賞をはじめとする数々の投手タイトルを獲得するなど、00年代のプロ野球を代表する投手のひとりとして活躍した。