フィギュア女子ワリエワはむしろ被害者?ドーピング騒動で見えたロシアの闇深さ
12月の検査結果が今になって出てくるのもおかしな話だが、この日、40分間の公式練習を行ったワリエワは何度もリンクに転倒するなど精彩を欠いた。練習後に英国人記者から「クスリをやったのか?」と追及され、その場にいたロシア報道陣と一触即発の事態に。
国内外のメディアには、この薬物は15歳が摂取するようなものではない、との見方が広がっている。つまり、本人が意図的に摂取したというより、コーチらがメダル獲得のために組織的に主導、「ワリエワはむしろ被害者だ」というものだが、いずれにせよ、現時点でハッキリしているのは「ワリエワがドーピングをやった」という事実だ。
ロシアは2014年、自国開催のソチ大会で組織的ドーピングが発覚し、国としての出場資格を剥奪されている。その後も世界からドーピングに対する意識の低さを指摘されていた。それに懲りるどころか、いまだにクスリに手を染め、15歳の少女をドーピング漬けにするロシアの闇深さに恐怖すら感じる。
■ROC「五輪成績、維持される」と主張
ROCは11日、ワリエワが陽性だったのは五輪期間外の昨年12月25日の検体であることから、五輪の成績は維持されると主張する声明を出した。
ROCは昨年12月25日の前後や北京五輪での検査結果は全て陰性であるとし、ワリエワが五輪で金メダルを獲得した団体の結果は個人成績も含めて「自動修正の対象にならない」との見解を示した。