オリ山本由伸のルーツを恩師ら4人が証言「高卒新人は打者ごとに投球フォームを変えていた」
プロになっても周囲への気遣いは変わらず
福田さんは山本がプロ1年目を終えた17年オフ、宮崎市内で野球部のメンバーとともに焼き肉を囲んだ。
「都城から店までは距離があるから電車で行くつもりだった。でも、由伸さんは別の先輩に『送り迎えを頼む』と頼んで、行きも帰りも車を手配してくれた。気遣いがすごい。自分は今、野球部を指導していて、由伸さんにLINEなどでアドバイスをもらうことがあるんですが、『投球動作は一連の動きで覚えるように。例えばテイクバックを修正するなら、全体の動作を意識しながら変えていく』とか。『ウエートより自分の体をどう使うかを意識することが大切』とか、すごく丁寧に教えてくれる。プロであれだけ活躍しても、全く変わらないんです」
今オフはポスティングによるメジャー挑戦が濃厚。メジャー球団スカウトの視察は、今や日常の光景となっている。
小学生時代に所属していた伊部パワフルズの元監督で、現在も家族ぐるみの付き合いがある大饗利秀さん(54)は、毎年元日夜に山本と食事会を開催しているという。
「今年の元日に山本にメジャー挑戦について聞いたんです。吉田(正尚)選手がメジャーに行ったから、その話題から切り出してみた。すると『どうなるか分からん』『今年の成績次第の部分もある』と多くを語らなかった。冷静に自分の状況を俯瞰しているように見えました」
山本を巡っては、名門ヤンキースなどが興味を示しているといわれる。夢をかなえる前に、オリックスの2年連続日本一を置き土産にするつもりだ。