大竹耕太郎の高校・大学時代の恩師が明かす “超スローボール”に見えた自分らしさ
古巣ソフトバンクでは2年目の19年に106イニングを投げ、5勝をマークしたのがキャリアハイ。20年から22年までの3年間はわずか2勝止まりだった。
球速が速い投手が重宝される環境で自分を見失い、持ち味である緩急自在の投球は鳴りを潜めてしまった。
しかし、2人の恩師は「阪神に移籍してから本来の大竹が戻ってきた」と口をそろえる。前出の池田氏が「とても状態がいい今の大竹を見ていると、高校の時の野球小僧が戻ってきたようです」と言えば、高橋氏もこう話す。
「大学時代もスピードを求めてしまいフォームのバランスを崩してしまうことがありました。私に“どうやったら太れるんですか?”と聞きに来たくらいです。でも、8月下旬の中日戦で90キロ台の超スローボールを投げたじゃないですか。大学時代から、打者を操るようなピッチングをする時は、精神的に余裕があって、自信に満ちあふれているんです」
新天地で自分を取り戻した苦労人がポストシーズンでも持ち前のセンスの良さを発揮する。