初V京都国際の《正体》と《左腕王国の秘密》…野球部“以外”の男子生徒わずか12人
今大会では決勝までの6試合で7失策の堅守と24得点を挙げた攻撃陣の集中力も光ったが、なにより3年生の中崎、2年生の西村の両左腕の存在が大きかった。決勝で関東一を9回無失点に抑えた背番号1の中崎は4試合で1完封を含む防御率1.45。背番号11の西村は先発2試合でいずれも完封勝利、決勝を含むリリーフ2試合でも自責点を許さず、防御率0.00のまま夏を終えた。22年のドラフト4位でDeNAに入団した森下瑠大もそうだが、京都国際は毎年のように好左腕を輩出することでも有名だ。昨年のドラフトでも育成契約で3人がプロ入りし、そのうち2人が左腕投手だった。
アマ野球に詳しいスポーツライターの安倍昌彦氏がこう言う。
「投手育成に関しては、宮村貴大野球部長の指導力も大きい。小牧憲継監督とは京都成章時代の同級生で宮村部長自身も左腕投手。『とにかくフォームのバランスが大切。バランスがよくなれば、自然とボールが生きてくるようになる』と教えている。バランスを重視し『えいや!』の投げ方ではないから、必然的にスタミナ切れも起こしにくいのです」