ある調査会社によると、2015年度の健康診断・人間ドックの市場規模は9040億円だという。いまや一大産業だが、健康診断は健康長寿にどれだけ寄与しているのか疑問に思う人も多いはず。そのひとつの答えとなるのが、この本だ。
職場健診、人間ドック、集団がん検診は、どれも日本だけの“奇習”で命を縮めるという。近藤誠医師と和田秀樹医師の対談で「正常値」や「肺検診」のいい加減さなど、健診の知られざる実態が明らかになっていく。
日本人は「病気かもしれない」という暗示にかかりやすく、文句を言わない国民性ゆえに医学的根拠のないものにお金を払っているという。(SB新書 800円+税)