「定年オヤジ改造計画」垣谷美雨著
定年後、再就職先が倒産して働く気も失せた常雄は、ちょっと早いが隠居生活に入る。
息子の和弘は結婚して子供が2人。33歳の娘・百合絵はいまだ独身で、常雄の頭痛の種だ。しかも、百合絵は父親の姿を見ているから結婚する気になれないと常雄に面と向かって言い放つ。百合絵によると、不定愁訴と診断され何かと夫を避ける十志子の不調の原因も常雄にあるというのだが、本人には心当たりがない。
そんな中、和弘が、妻の麻衣が働きに出るので保育園に入る孫のお迎えをお願いしたいと言いだす。幼い子供を保育園に入れることに反対する常雄だが、なりゆきで孫のお迎えを担当することに。
人生初の子守をすることになった昭和の男・常雄を主人公に描く「定年後」小説。
(祥伝社 740円+税)