「下町やぶさか診療所 沖縄から来た娘」池永陽著
医師の麟太郎が営む診療所に見知らぬ若い女性が訪ねてくる。麟太郎が訳あって同居中の高校生の麻世や看護婦の八重子と共に話を聞くと、美咲と名乗る女性は、麟太郎をお父さんと呼び出す。美咲は麟太郎の大学時代の同級生・比嘉の従妹・律子の娘だった。
麟太郎は20年ほど前、郷里の沖縄に帰りハンセン病療養所に勤務していた比嘉を何度か訪ねたことがある。その折に律子も紹介され3人でよく行動を共にしていたのだ。美咲によると、律子は彼女に父親は麟太郎だと告げた直後に失踪してしまったという。母子が心配になった麟太郎は、比嘉を訪ねるため、沖縄に向かう。
下町の診療所を舞台に医師と元ヤンキーの女子高生コンビを主人公にした人気シリーズ第3弾。
(集英社 814円)