「雀荘迎賓館最後の夜」大慈多聞著

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「雀荘迎賓館最後の夜」大慈多聞著

 相葉敏江が経営している雀荘迎賓館はセット5卓とフリー2卓。80年代以降は20代の麻雀人口が激減、客は減り続けているが、客質は並外れていい。水道局関連グループや、国立大学の学生グループの蔵前倶楽部などだ。

 その一員、結城叡介はケタ外れの強さで勝ち続けていた。ゲーム感覚のほかの学生と違って、スズメバチがミツバチの巣を襲うような凄みがある。

 フリー卓のメンバーのうち3人はいわゆる「バクチ焼けの顔」だ。その1人、笠置俊孝に、敏江からメールがあった。笠置は木曜は迎賓館に行かないが、急にメンバーが必要になったので、来店してほしいという。

 雀荘に集まる者たちを描くギャンブル小説。 (新潮社 1980円)

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