日舞最大流派でお家騒動 「花柳流」骨肉後継争いの行く末
そもそも3代目が遺言書などを残しておかなかったために起きた後継争い。全国に2万人の門弟を持つ最大流派にしては不用意に思えるが、「3代目の性格上、書き残しておくことを好まなかった」(花柳流関係者)。寛氏が4代目になったのは花柳流の長老格が集まった理事会で協議された結果だというが、法廷終了後に記者会見を開いた貴彦氏の代理人である久保利英明弁護士は「親睦団体である理事会の決定であり、寛氏に家元としての正統性はない。しかも必要とされる親族の貴彦氏の同意もない」と主張する。
宗家家元となれば、門弟からの会費や公演でのギャラ、名取料といった収入は相当なもの。不動産、金品の相続もある。一部では年間3億円もの収入があると報じられたが、「その額は優に超えるでしょう」(前出の関係者)。
この日の会見で貴彦氏は、「流儀が結束し、日本舞踊の発展のために進めたら」と心境を語った。来年3月末には結審、判決が出る予定。まるでドラマ「家政婦は見た!」を地で行くような骨肉の後継争い。果たして司法の場で決着がつくのか。