空前の「立ち食いブーム」 懐だけでなく健康にも良かった
胆汁の流れが悪くなると、胆石もできやすくなる。胆石は、長時間座っていること自体がリスクになり、どれだけ運動しても改善されない。それだけ座った姿勢は、胆汁の流れに悪影響を与えるのだ。
他にも、海外には「立ち食いは健康にいい」という報告がある。医療関係者が世界各地のさまざまな民族の食事姿勢を研究したところ、最も健康に良かったのが「立ち食い」で、以下、「椅子に座った姿勢」「しゃがんだ姿勢」だったという。しゃがんだ姿勢は大腿(だいたい)部と腹部が圧迫されて血の流れが悪くなり、心臓や胃への血液供給量が少なくなる。逆に立った姿勢なら、臓器への血液供給量がキープされるとしている。
「胃の血流量は、胃粘液の量に直結します。正常な胃粘膜は粘液でびっしりとコーティングされていて、胃壁がしっかり守られています。しかし、粘液が減るとバリアーが減ってしまうので、アルコールなどの攻撃因子によってダメージを受け、胃が荒れやすくなります」(江田院長)
糖尿病の人は食後、低血糖でふらついて転倒の危険もあるから注意が必要だが、立ち食いにはメリットがたくさんあるのだ。