子供のメンタル不調 要注意サインは「朝起きられない」

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■広まりつつある「磁気刺激治療」

 川口院長が挙げる要注意サインは、「朝起きられない」だ。

「双極性障害のうつ症状は、午後になるとエンジンがかかるが、午前中は調子が悪い。朝、起きないのではなく、起きられないのです。それが2週間以上続くようなら、双極性障害を疑ったほうがいいかもしれません」

 大人の双極性障害は、現在、薬物治療が第1選択だ。しかし子供は、向精神薬などを使った場合の長期的な脳の安全性は確保されておらず、医者の裁量に任されている。川口院長は、子供のリスクを考え、別の治療法を取り入れている。それが米国発祥の最新治療法で、国内でも大学病院などを中心に広まりつつある「磁気刺激治療(TMS)」だ。

「近年、前頭野の一部の機能が正常に働かなくなることと、うつ病や双極性障害との関係が明らかになってきました。TMSは、前頭野に磁気を当てて本来持っている脳の回復力を上げ、機能をもとに戻す治療法です。薬物のように脳に何らかの影響を与えることがないので、子供でも問題なく受けられる。パーキンソン病認知症脳梗塞後の麻痺の回復などにも使えないかという研究もされています」

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