【早期肺がんの単孔内視鏡治療】 日本医科大学千葉北総病院・呼吸器外科(千葉・印西市)
特に開胸手術は約50%が2カ月以上にわたり痛みが続くといわれる。
「シングルポートは肋間神経と隣接する傷口をゴム製のリングでカバーし、肋間神経に対して愛護的に手術するので、肋間神経障害の発生が格段に抑えられます。明らかな肋間神経障害の合併率は全手術症例の5%前後。多くの患者さんは1週間程度で痛み止めの薬がいらなくなります」
ただし、シングルポートは患者に優しい分、器具の操作に高度な技術を要する。完全胸腔鏡下手術を十分に経験していないと習得が難しいという。
ちなみに同科が、シングルポート中に開胸手術へ移行したのは過去に1例のみだという。
「手術手技の向上ならびに手術器具がより改善すればシングルポート手術はさらに容易になり、胸腔鏡手術の際に必ずしも体に3つも4つも孔を開ける必要はないと考えています」
日本医科大学の5番目の付属病院。2001年、全国で初めてドクターヘリを導入。
◆スタッフ数=呼吸器外科医3人
◆年間初診患者数(2014年)=265人
◆年間手術件数=約160例(うち肺がん手術60~70例)
◆肺がんのシングルポート胸腔鏡下手術の割合=20~30%