寒さでリズムの乱れも 冬の睡眠が「1年の眠り」を左右する
寒くてなかなか寝付けない。ついつい夜更かししてしまい、朝起きるのがつらくて布団から出られない……。冬になると、こんな経験をしたことがあるはずだ。だが、冬にキチンと睡眠を整えておかないと、今後1年間の睡眠に悪影響を及ぼすことになる。
睡眠は、日照時間に影響を受ける。日照時間が長い夏は睡眠が短くなり、短い冬は長く眠るようになる。日照時間が最も長い夏至の季節に比べると、冬至の頃は2時間ほど睡眠時間が長くなるのだ。
しかし、多くの人は季節による睡眠時間の変化を無視して生活している。すると、そのまま睡眠のリズムが崩れてしまい、冬が終わって暖かくなってきても熟睡できず、体調不良を招いてしまうという。全国で睡眠セミナーを開催している作業療法士の菅原洋平氏は言う。
「人間の体は、光を感知することで環境に対応するための準備を始めるようにできています。日の出時刻が遅い冬は、体が準備を始める時刻も遅くなり、睡眠のリズムがどんどん遅れる方向にずれていく。そのため、〈夜中まで眠れず、朝起きられない〉状態になりやすいのです。これを放置すると、季節が変わっても睡眠のリズムが乱れたままだったり、自律神経のバランスが崩れて体調不良を招いてしまいます」