重大病発症の要因にも…「冬の便秘」放置はこんなに危険
さらに、便秘による腸内細菌のバランス崩壊が、心血管イベントリスクを上昇させるとも考えられている。
腸管では1000兆個を超える腸内細菌が集まり、腸内フローラ(腸内細菌叢)を形成している。腸内細菌は、乳酸菌などの善玉菌、大腸菌などの悪玉菌、バクテロイデスなどの日和見菌に大きく分けられ、構成バランスが崩れて悪玉が優勢になると、日和見菌は悪玉的な働きをするようになる。
「便秘による腸管の変化は、腸内フローラの構成に悪影響を与え、悪玉菌を優勢にしてしまうと考えられます。腸内フローラのバランスが崩れると、卵黄や牛肉といった食品から摂取したホスファチジルコリン(レシチン)を腸内細菌が代謝する際、TMAOという物質が産生されます。このTMAOの血中濃度が高いと、心血管イベントの発症が促進されることが分かっているのです」(東丸教授)
便秘は、食物繊維不足も一因になっている。食物繊維が不足していると、腸内フローラのバランスは悪玉が優勢になる。また、コレステロールを吸着する食物繊維が少ないと、それだけ体にコレステロールが吸収され、動脈硬化が進む要因となる。
便秘気味かな? と思ったら、水分を多めに摂取し、食物繊維やビフィズス菌など、腸内環境を整える食品を意識して食べるようにする。ストレッチなどの運動も有効だ。改善しなければ、病院に行って相談すべし。