3週間実践で8割に効果 “低FODMAP食”で胃の調子を取り戻す
検査をしても原因が分からず、日頃から頻繁に下痢、便秘、腹痛などを起こす「過敏性腸症候群」という病気がある。低FODMAP食は、この病気の改善に有効だと世界中で認められている。
■過敏性腸症候群にも効果
06年に豪州で行われた研究によると、62人の過敏性腸症候群患者に低FODMAP食を実施してもらったところ、90%近くの症状が改善した。14年には、豪州で行われた研究が権威ある医学誌「ガストロエンテロロジー」に報告されている。過敏性腸症候群の患者を(1)3週間にわたって低FODMAP食を食べたグループと、(2)通常食を食べたグループに分け、ランダム化比較試験を行ったところ、低FODMAP食のグループの70%の症状が大きく改善したという。
日頃から胃腸の具合が悪い人は、高FODMAP食を控え、代わりに低FODMAP食を取ればいい。代表的な低FODMAP食を〈表〉にまとめてみた。
「お腹にいいといわれているヨーグルトや牛乳には『乳糖』が含まれています。一般的な“腸の常識”とは逆で、過敏性腸症候群の人は、食べ過ぎに注意です。小麦、大麦、大豆には『オリゴ糖』が豊富に含まれています。オリゴ糖は、腸の健康によい影響を与えるとしてトクホ(特定保健用食品)に認定されていますが、これも同じです。納豆やキムチなどの発酵食品も大腸内で発酵を促進するためNGです」