病気リスクも減らす可能性 「遺伝子検査」の正しい使い方
「こういう人は自身の遺伝子を知ったうえで、禁煙・禁酒するメリットは非常に大きいのです」(石原院長)
そもそも、人間の体はタンパク質から出来ていて、そのタンパク質を作るための設計図が遺伝子だ。その正体は、DNA(デオキシリボ核酸)で、アデニン、チミン、グアニン、シトシンという4つの塩基が特定の配列で30億個連なり、対をなして細胞の核の中におさまっている。DNAはタンパク質の設計図だけでなく、コピーを作って新しい細胞に受け渡すほか、受精によって両親の遺伝子を受け継がせる働きがある。
「人が持つ23組の染色体には塩基が30億対あり、その中の数百カ所には塩基配列の違いがあります。これが顔つきや病気のなりやすさという個人差になります。このうち、1カ所の塩基配列の異常により病気が発生する場合を『単一遺伝子病』と呼びます。自分の意思と無関係に体が動き、認知障害が表れるハンチントン病は、第4染色体の遺伝子に通常は見られない塩基配列があります」(都内の大学病院勤務医)
■結果に一喜一憂する必要なし