病気リスクも減らす可能性 「遺伝子検査」の正しい使い方

公開日: 更新日:

 他に遺伝性乳がんや卵巣がんの原因遺伝子が有名だ。米国の有名女優、アンジェリーナ・ジョリーがこの2つの遺伝子の変異を見つけたことで、将来のがんに備えて乳房を切除したことを覚えている人も多いだろう。

 一方、単一遺伝子病以外を「遺伝子多型」と呼ぶ。

「遺伝子検査は、DNAから遺伝子を分析し、塩基の配列などを調べます。現在、医療機関で行われているのは、乳がん検査や母親のお腹の中にいる赤ちゃんの遺伝性の異常を調べる出生前検査、薬が効きやすい体質かを調べる検査など。民間機関が行うのは、発症リスクは高くないものの、多くの人が持っている疾患感受性遺伝子多型の検査です」(前出の大学病院勤務医)

 ここで気をつけなければならないのは、民間機関の遺伝子検査は、検査結果から推定される各社独自のアルゴリズムに基づく傾向、リスクについてのアドバイスであること。あくまでもその利用の仕方には明確な指針がなく、検査を受ける人に任されている点だ。

「比較的簡単にできるため、一度、遺伝子検査を受けることは一定の意義があります。ただ、現時点ではその結果に一喜一憂する必要はありません。あくまでも、その目的は病気にならないための生活習慣を確立するための動機付けと割り切ることが大切です」(石原院長)

 遺伝子によって生活習慣を変える。これがこれからの健康法なのかもしれない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…