なぜ広まらない? 手で腰痛を治す「AKA-博田法」のいま

公開日: 更新日:

「整形外科医は仙腸関節は絶対に動かない、重機を持ってしても動かない、と教わっていますから、腰痛の仙腸関節説が認められないのです」

 仙腸関節は、今の整形外科医が頼る画像診断装置では見えにくいことも理由だ。

「徒手治療法に対する整形外科医の無理解・無関心、抵抗感も普及の妨げになっています。彼らは“徒手療法は科学的でない”と思い込んでいるのです。そもそもAKAの基本である関節運動学の講義が日本で行われておらず、仙腸関節自体が馴染みのない関節なのです」

 患者側の受け止め方にも問題がある。整体や整骨など強い徒手療法に慣れている患者にとって、腰をさするようなこの治療法は物足りないかもしれない。

「この治療法の効果は、『医師が患者に触ることによるプラセボ効果で気分的な問題ではないか』と言う人もいますが、施術後に足上げなど運動機能が回復しているので、関節機能が改善しているのは間違いありません」

 しかし、治療法が広まらない最大の理由はAKA-博田法を正式に標榜できるのは、「日本AKA博田法医学会」が正式に認定した医師らに限られていることだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「転職者は急増」なのに「人材派遣会社は倒産」が増えているワケ

  2. 2

    俳優・山口馬木也さん「藤田まことさんは『飲め、飲め』と息子のようにかわいがってくれた」

  3. 3

    驚きの品揃え! ダイソーでほぼすべて揃う「防災グッズ」の実力は?

  4. 4

    優勝の祝儀で5000万円も タニマチに頼る“ごっつぁん体質”

  5. 5

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  1. 6

    長嶋一茂はこんなにも身だしなみを意識している? VIOはもちろんアンチエイジングも

  2. 7

    大関・大の里すでに「師匠超え」の鋼メンタル!スキャンダル報道もどこ吹く風で3度目賜杯

  3. 8

    大関・大の里3度目優勝で期待される「大豊」時代の幕開け…八角理事長も横綱昇進に期待隠さず

  4. 9

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 10

    国民民主党はやっぱり与党補完勢力だった! 企業・団体献金「存続」で自民党に塩を送る罪深さ