仕事のストレスで「うつ病」発症リスクが1.7倍に
うつ病の発症要因に「職場のストレス」が挙げられます。体調に大きな変化はなくとも、職場で感じるストレスはあまり良いものではありません。
このような職業性ストレスが精神状態に与える影響を検討するために、さまざまな方法論が提唱されています。
その中でも、多くの研究に採用されている手法は「仕事の要求度・コントロールモデル」と呼ばれるものです。
「仕事の要求度」とは、量的負担、役割ストレスなど、作業に関わるストレスのことです。「仕事のコントロール」とは、裁量権や自由度のことと考えていいでしょう。仕事の要求度が高いにもかかわらず十分な裁量権や自由度が与えられていない状態を「高ストレイン」と呼び、こうした状況では心身のストレス反応リスクが高いといわれています。ただ、こうした状況がうつ病の発症と関連するかどうか、明確なことは分かっていませんでした。
そんな中、「高ストレインとうつ病発症リスク」の関連を検討した論文が、精神医学・心理学の国際誌2017年6月号に掲載されました。