がん治療で注目の免疫細胞と心不全との“意外な関係”
また、細胞のゴミを片付けるオートファジーの異常も原因ではないか、との見方もある。
いずれにせよ免疫異常が心不全を進行させるとは意外な話だが、心不全症状を起こす拡張型心筋症では抗心筋自己抗体を独自のフィルターでこし取る免疫吸着療法が一時先進医療に取り入れられた。
しかし、免疫反応には液性免疫の自己抗体だけでなく細胞性のものも関係しているので、効果は不十分であった。
「心筋炎や心不全には自己抗体が関係しない自然免疫や細胞性免疫が関わっているので、いまはこれらに関係する炎症性物質などを抑える治療法が研究されています。心不全と免疫の関係や心不全治療は世界的に注目されていて、先日カナダのバンクーバーで行われた世界心臓病学会でもトピックとして取り上げられていました」
がん治療と同様、いずれ心不全のための免疫療法が開発されるかもしれない。