著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

治療と仕事の両立<2> 困ったら拠点病院と産保センターへ

公開日: 更新日:

■告知後2週間は決断をしない

 そこで、大切なのが告知された直後の対応。がんと診断されると、3割は離職します。しかも、そのうち4割は治療がスタートする前に会社を去っているのです。

 がんと告げられて頭が真っ白になり、その後の説明も分からず、どうやって家に帰ったかも覚えていないという方は珍しくありません。精神的にも肉体的にも動揺し、一時的とはいえ極度のうつ状態になります。

 それで、自暴自棄になったりして辞職をする人が少なからずいるのですが、この状況で冷静な判断をするのは困難ですから、重大な決断をするのはよくありません。うつ状態は通常、2週間ほどで少しずつ平常に戻ってきます。大事なことを決めるのはそれからにするのが無難です。

 では、そんなときの相談相手が気になるところでしょう。各都道府県にある、がん拠点病院の相談支援室や産業保健総合支援センターなどです。拠点病院の相談支援室は、受診していなくても利用可能ですから、仕事と治療の両立で悩んだときは役に立つことでしょう。ぜひ頭に入れておいてください。

【連載】Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高野連を直撃「甲子園でリクエスト制度なぜ導入されず?」

  2. 2

    これも防災対策のひとつ? 「ソーラー充電器」は買っても秘密にしておけ

  3. 3

    大谷は連日の一発、メジャー6人目「40-40」目前…それでも「未来が見えない」根本原因

  4. 4

    加橋かつみさんが憧れたストーンズ「サティスファクション」はザ・タイガースの原点でもある

  5. 5

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  1. 6

    小泉進次郎の自民総裁選出馬に暗雲…「3つのネガティブ材料」で“客寄せパンダ”に急激な引き潮

  2. 7

    小林鷹之氏のカネ集めは「古い自民党」そのもの…初入閣後にハイペースでパーティー開催

  3. 8

    Number_iに囁かれるキンプリ遺産の食い潰し…サマソニで持ち歌少なくデビュー曲を2回披露

  4. 9

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  5. 10

    「ブラックモンブラン」竹下製菓が最大の危機に…事業拡大の矢先、右腕の夫と会長の父に先立たれ