なぜ「入れ墨」は何年たっても消えないの? 医師に聞いた
「それに真皮に染料を入れるのでも、たくさん入れればそれだけ長持ちして色も鮮やかになります。ですから、術者(彫る人)の技術や使う染料の原材料の質などによっても、入れ墨の見栄えや色あせる程度などに違いが出てきます」
では、入れ墨を消す治療として一般的にレーザー治療が行われるが、どのようなメカニズムで色を落とすのか。それにもマクロファージが大事な役目を果たすという。
「入れ墨除去では、色素に反応するレーザーを用います。レーザー光線を照射すると、レーザーが真皮にある色に吸収され、瞬時に熱を発して入れ墨の色素の粒子が粉砕されます。それをマクロファージが食べるのです。つまりレーザー治療は、色素の粒子をマクロファージが食べやすいサイズにする治療法なのです」
ただし、前にも述べたが色素の量が多すぎると、マクロファージは満腹になって消化しきれなくなる。
だから、完全に消すのはなかなか難しい。レーザー治療は入れ墨を「消す治療」というより「薄くする治療」と考えた方がいいだろう。