張り切りすぎで命を縮める 「春の運動」で注意すべきこと
■息切れするような強い運動はNG
さらに、過剰な運動で自律神経のフル回転状態が続くと自律神経失調症の状態になる。自律神経だけでは身体活動を維持するための処理ができなくなるので、それを補うために内分泌免疫系を稼働させる。そうなると、ステロイドホルモンの分泌が促進され、インスリン抵抗性が表れてインスリンの作用が発揮できない状態になったり、血圧が高くなる。その結果、糖尿病、がん、心血管疾患といった命に関わる疾患の発症リスクがアップしてしまう。
デンマークで実施された「コペンハーゲン・ハート・スタディー」という長期健康調査がある。ジョギングを行っている健常者1098人と、ジョギングを行っていない健常者3950人を12年間にわたって追跡したところ、最も死亡率が低かったのは週3回以下で週2.5時間未満という「軽いジョギング」をしているグループだった。週4回以上で週2.5時間以上、または週3回以下で週4時間以上の「激しいジョギング」をしているグループは、軽いジョギングと比較すると死亡率が9倍も高く、ジョギングをしていないグループと比べても死亡率が高かった。