専門医であればこそ、せめて患者と一緒に悩んで考えてほしかった
Sさんはインターネットを使って、Yがん拠点病院腫瘍内科のがん専門医(がん薬物療法専門医)のセカンドオピニオンを受ける予約をしました。Sさんがイメージしていた専門医とは、いわゆる「神の手を持つ医師」や「スーパードクター」とまではいかなくとも、患者がいろいろ困難な状況でも工夫して治療法を考えてくれる、場合によっては標準治療を超えて治療法を考えてくれる医師でした。
ただ、「専門医の資格」を調べてみると、専門医とは「その領域の専門研修を受け、患者さんから信頼される標準的な医療を提供できる医師」と記載されていたのが気になっていたといいます。
Y病院で対応してくれた腫瘍内科の専門医は、診療情報提供書を確認してSさんの話を聞いた後、こう告げたそうです。
「これまでも、しっかりした標準治療がされていますよ。いまはSさんに合う新薬はありませんし、さらにがんが大きくなったら緩和ケアでしょう。よろしければ緩和ケア科を紹介しますよ」
■患者さんにとって信頼できる医師に「資格」関係ない