アルツハイマー病が軽症のまま? てんかん薬にかかる期待
認知症とてんかんの関連を示す研究発表はほかにもある。
「軽度認知障害(認知症の前段階)患者の調査で、認知機能低下と同時期にてんかんを起こしている」「アルツハイマー病のてんかんの有病率は2倍以上」「軽度認知障害にアミロイドβを減らすてんかん薬を投与すると認知機能改善」などだ。
「高齢者のてんかんには認知症が原因のものが多い。これについては以前から分かっていましたが、認知症と診断されても、てんかんの検査・治療はほぼ行われてきませんでした。一因として、高齢者のてんかんは“非痙攣性”が大半であることが挙げられます」
■抗認知症薬で対処できないアミロイドβを減少
非痙攣性とは、痙攣がないタイプ。典型的症状は、数分間にわたって一点を見つめる、口をモグモグ動かす、指を突っ張らせるなど。意識障害、失語、まひなどが見られることもある。
「典型的な症状でも見つけづらいのですが、ほとんど症状が表れないケースも珍しくない。てんかんの専門医でも、診断しづらい」