著者のコラム一覧
笹川伸雄

ジャーナリスト。1946年、宮城県生まれ。医、食、健康のジャンルを得意とし、著書に「妙薬探訪」(徳間文庫)など

一切の治療を拒否 理由は両親のがん死で生じた医療不信

公開日: 更新日:

 ステージⅣの進行性の食道がんだと伝えた医師は、続けてこう言葉を継いだ。

「どのような治療を行うか、家族とよく相談して考えて決めてください」

 私は即座に「結構です」と返事をした。医師はその言葉の意味がわからなかったようで、けげんな表情で同じ言葉を繰り返した。そしてこうも言った。

「がんは放っておくと確実に増殖し、みるみる大きくなって全身に転移する。ひどい痛みに苦しみながら死に至ることになる」

 私は「がん治療を受けないのが、私のポリシーである」と伝えた。

 その根拠は、33年前の両親の死だった。私は両親をともにがんで亡くしている。

 父は長年、右頭部に痛みを訴え、地元で一番といわれる大学病院でさまざまな検査を受け続けた。結果はいつも正常。何年後かにようやく鼻腔(びくう)がんと診断され、がんの摘出手術を受けた。しかし“寛解”したはずが、頭痛は消えなかった。

 そしてそれから数年後、脳への転移が判明し、入院。ところが脳全体に腫瘍が回っていることがわかり、手術を断念した。そして、その数カ月後、父は意識もなく、眠るように旅立ったのだ。享年67(満65歳)だった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    俳優・山口馬木也さん「藤田まことさんは『飲め、飲め』と息子のようにかわいがってくれた」

  2. 2

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  3. 3

    テレ朝ナスD“経費横領&パワハラ処分”に「見せしめ」の声も…家族団らん投稿の美人料理家妻に同情集まる

  4. 4

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 5

    東原亜希の“黒帯バスローブ密会”乗り越えた「許す力」は佐々木希以上? 経済的自立も目指す強心臓とたくましさ

  1. 6

    料理研究家の森崎友紀 “本業”専念も恋愛は「年も年なので」

  2. 7

    兵庫県パワハラ知事に残った選択肢は「議会解散」のみ…多数派工作で延命図るか?味方は“情報漏洩3人組”のみ

  3. 8

    あす旧統一教会に解散命令か? N国党に急接近の不気味、タダでは転ばない悪あがき

  4. 9

    巨人の“アキレス腱”は絶対的セットアッパーが使えないこと…新助っ人キャベッジで外国人枠「満員」

  5. 10

    佐々木希が「芸能人格付けチェック」で"地雷キャラ"といじられ…夫・渡部建を捨てないもう1つの理由