悪玉コレステロールが高いほど長生き 老年学研究者に聞く
また、茨城県民男女約9万人(40~70歳)を10・3年追跡調査したところ、LDLコレステロール80㎎/デシリットル未満の死亡率を1とした場合、脳卒中やがんなどの総死亡率はLDLコレステロールの値が高くなるほど低くなった。
総死亡率は寿命と表裏一体のため、LDLコレステロールが高いほど長生きするということになる。
「これはほんの一例で、コレステロール、BMI、脂肪、タンパク質などは数値が高い方が寿命が長い。粗食を良しとしてきた日本人の食事は、それでなくてもコレステロール、脂肪、タンパク質の摂取量が少ない。しかも今、1日当たりの総エネルギー摂取量は減少しており、飢餓状態だった1946年の1903キロカロリーを下回っています」
この傾向は若者に顕著で、柴田氏は「今の食生活を続ければ健康長寿は望めない」と警告する。
■高齢になったら肉と牛乳を積極的にとる
一方、高齢者は低栄養予防に欠かせないタンパク質などを使う力(利用効率)が落ちているので、若い時より積極的にタンパク質、中でも動物性タンパク質を摂取しなければならない。