著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

高齢者は血圧が高いのが当たり前 過半数が降圧剤を飲む

公開日: 更新日:

 70歳以上では53.8%が血圧の薬を飲んでいるわけですが、何と高齢者では薬を飲んでいない人のほうがマイナーな存在だということがわかります。高血圧と言われて、がっかりしている高齢の方が多いかもしれません。しかし、実は言われたあなたのほうが、血圧が高くない人よりメジャーな存在です。高齢者においては血圧が低い人のほうが珍しい異常な存在と言えなくもありません。80過ぎてもまだ血圧が上がってこないのは人間としての成熟が足りないせいではないか、なんて低血圧の人に言ってみてもいいかもしれません。もちろん脳卒中の危険は高血圧の人のほうが高いので、成熟より脳卒中にならないほうがいいと言われれば反論はむずかしく、現実にも多くの人が脳卒中予防のために降圧薬を飲んでいるわけですが。

 その高齢者の過半数の人が飲んでいる血圧の薬ですが、一言で降圧薬と言っても多くの種類があります。塩分と水分を排出することで血圧を下げる利尿薬、心臓の働きをコントロールするβ遮断薬、血管を広げることで血圧を下げるCa拮抗薬、α遮断薬、ACE阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬です。さらにはそれぞれ降圧薬の中にも多くの種類の薬があり、さらには2つの降圧薬をひとつにまとめた合剤もあり、私自身もほとんど覚えられません。

 血圧の薬について質問するときは、まず複数の薬の合剤かどうか、それぞれの種類については、利尿薬なのか、血管を広げる薬なのか、心臓に働く薬なのか、そう尋ねた上で、先の大ざっぱな分類について尋ねるとよいかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    俳優・山口馬木也さん「藤田まことさんは『飲め、飲め』と息子のようにかわいがってくれた」

  2. 2

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  3. 3

    テレ朝ナスD“経費横領&パワハラ処分”に「見せしめ」の声も…家族団らん投稿の美人料理家妻に同情集まる

  4. 4

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 5

    東原亜希の“黒帯バスローブ密会”乗り越えた「許す力」は佐々木希以上? 経済的自立も目指す強心臓とたくましさ

  1. 6

    料理研究家の森崎友紀 “本業”専念も恋愛は「年も年なので」

  2. 7

    兵庫県パワハラ知事に残った選択肢は「議会解散」のみ…多数派工作で延命図るか?味方は“情報漏洩3人組”のみ

  3. 8

    あす旧統一教会に解散命令か? N国党に急接近の不気味、タダでは転ばない悪あがき

  4. 9

    巨人の“アキレス腱”は絶対的セットアッパーが使えないこと…新助っ人キャベッジで外国人枠「満員」

  5. 10

    佐々木希が「芸能人格付けチェック」で"地雷キャラ"といじられ…夫・渡部建を捨てないもう1つの理由