白米にもあった 脂肪肝を改善し動脈硬化を予防する効果
今回、新たに分かってきたのは、動脈硬化を防ぐ作用は、白米でも期待できるということだ。これをラットを使って証明したのが、東京農業大の山本祐司教授の実験だ。
山本教授は肥満で高コレステロール状態になったラットに100日間、エネルギー量が同じ3種類のエサを与え続けた。エサは①標準的なもの②標準的なものに含まれるコーンスターチを白米に置き換えたもの③コーンスターチを玄米に置き換えたもの――の3パターン用意している。
その結果、①の標準のエサでは高コレステロールの状態に変化はなかったが、②③のエサを食べたラットはコレステロール値が明らかに低下したという。過食で脂肪肝になっていたラットの肝臓脂肪の数値も、標準値まで減った。
②③のエサを比較すると、玄米の方がよりコレステロールや肝臓脂肪の数値が改善されていたものの、有意差は認められなかったという。
山本教授は、脂肪肝の人に1日160グラム以上の玄米を90日間食べてもらう実験もやっていて、血中コレステロール値の減少が認められたと報告している。ただ、ラットの実験から、白米でも同じような効果が期待できるとした。米に含まれる成分が肝臓内のコレステロール代謝遺伝子を活性化させ、代謝機構そのものを変化させている可能性があるというのだ。